2023年1月版・セールで購入するゲーミングPCのスペックを考える マザーボード編

マザーアイキャッチ 自作PC

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前回はゲーミングPCを購入する際のCPU・GPUの選び方についてを記事にしました。

今回は、CPU選びに密接な関りがあるマザーボード選びについてです。

ぶっちゃけゲーム目的なら、AMDもIntelもBシリーズでいいんですが、マザーボードについて基礎から知りたい方向けで、表を眺めているだけではわかりにくい部分を言語化した解説記事です。

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マザーボードとは

マザーボードは、パソコンを組み立てる基礎になる母艦のような役割を果たすのは、よく言われることです。様々な機器同士をつなぐハブのようなものだと考えるといいでしょう。

まず最初に、マザーボードのサイズについてです。

マザーボードのサイズ

現在、一般的に流通しているマザーボードのサイズには、E-ATX・ATX・Micro ATX・Mini-ITXが挙げられます。大きさは、E-ATX > ATX > Micro ATX > Mini-ITX の順です。

もっとも一般的に使われるマザーボードは、ATXで、その次がMicro ATXです。E-ATXやMini-ITXは特殊な部類に入ります。

E-ATXの例:MSI MEG Z790 GODLIKE

マザーボードのサイズと価格

ボードが小さくなると、基盤の配線難易度も上がりますので、機能が切り詰められたり、価格が上昇したりします。Mini-ITXのマザーボードが高いのはこのためです。

ただし、Micro ATXでは、単にATXの機能削減が行われることが多く、価格が下がる傾向があります。リーズナブルなため、自作初心者に好まれるサイズです。

Micro ATXの例:TUF GAMING B760M-PLUS D4

マザーボードのサイズとケース

初心者の方がわからないのは、ここでしょう。どのケースにどのマザーボードが対応しているのかわからないという問題をクリアする必要があります。

ショップの分類では、親しみやすいようにと配慮してか、フルタワー型、ミドルタワー型、ミニタワー型、スリム型、キューブ型だのと言った分類が一応存在するようです。

これらの呼称は無視してください。

全く役に立ちません。わかりにくいだけです。

上で述べたように、マザーボードのサイズは、E-ATX > ATX > Micro ATX > Mini-ITXの順で決まっています。

ケースにマザーボードが入るかどうかは、対応フォームファクタというところに、E-ATX・ATX・Micro ATX・Mini-ITX のどれが書いてあるかで判断してください。

どのサイズを選べばいいか

初めてPCを自作する方には、ATXサイズのマザーボードが一番オススメです。

機能が切り詰められることなく、USBポートが十分にあり、対応するPCケースも多いです。

Micro ATXも、初心者に人気がありますが、自作PCがわかってくると痒いところに手が届かない感じが出てきます。

具体的に挙げると、M.2のスロットが足りない、パーツが巨大なGPUに隠れてしまいSSDの交換が気軽にできない、USBポートが足りない、メモリ増設しようにもメモリスロットが2個しかないボードだった、などの問題が発生します。

やや大き目のケースで、ATXのマザーボードで組む、というのが初心者が自作PCで失敗しないためのポイントなります。

マザーボードとCPU

選んだCPUによって、使えるマザーボードの種類が決まります。Intelならこの型番、AMDならこの型番といった形です。

前回、年末年始の購入対象として選出したメーカー別にまとめると、およそ以下のような形になります。

Intel(12・13・14世代対応)

Intel12・13・14世代(12000番台・13000番台・14000番台)では、LGA1700というCPUソケット規格が使われています。BIOSの更新が必要なこともありますが、三世代で使えるマザーボードは共通しています。

また、Intelマザーボードは、DDR4メモリを使えるマザーボードと、DDR5メモリを使えるマザーボードが混在している状態です。購入時には、どちらのメモリ対応かをまずチェックしましょう。

DDR4・DDR5対応マザーボード どちらを選ぶべき?

DDR5・DDR4のどちらを選ぶべきかですが、性能が大きく異なるわけではないので、DDR4でも構いません。

しかし、今後メモリは、DDR5が前提になります。DDR5とDDR4の価格差は、発売当初と比べて縮まっています。メモリを再利用する可能性がある方やリユースの価値を考える方は、なるべくDDR5を選択しましょう。

チップセットの種類

2022年10月20日発売2021年11月4日発売
Z790Z690
H770H670
B760B660
H610

発売日はチップセットの初出時

一般的に、表の上にある方がグレードが高く、新しい方が高額です。

600番台のマザーボードを購入するときは、14000番台CPU対応BIOSに更新していますか?と質問した方がいいでしょう。

チップセットによる違いは、細かく上げればきりがありませんが、大体、以下のような特徴があります。

Z790・690

最上位の位置づけのチップセットです。

K・KF付きを購入した人はZシリーズにしたい欲が発生します。

単にゲーム目的ならK・KFを購入しないことにするか、欲望を抑えつけましょう。

Z790・Z690の特徴
  • Zシリーズはハイパフォーマンスモデル。
  • CPU・メモリのオーバークロックができる。
  • マザーボード上に機器をつなげるPCIeスロット数・レーン数・USBポート数・転送速度が他シリーズより優れている。
  • M.2やSATAでRAIDが組める。
  • 790と690の明確な違いは、PCIe4.0とPCIe3.0のレーン数(一般人にはほぼ関係ない)。

H770・670

ZシリーズとBシリーズの中間に立つ、ほぼ見かけることのない幻のシリーズです。どうすんだこれ。

H770・H670の特徴
  • Hシリーズは、メインストリームモデル(実態はHシリーズの流通量は少数です…)。
  • CPUのオーバークロックはできない。
  • メモリのオーバークロックはできる。
  • Zシリーズには劣るが、PCIeスロット・レーン数・USBポート数・転送速度がBシリーズより優れている。
  • M.2やSATAでRAIDが組める。
  • H670とH770の違いは、PCIeレーン数とUSBポート数。

B760・B660

ゲーミングPCを組むとするならば、こちらのシリーズが第一候補になります。

PCIeを使う機器が大量にあったり、速度が出るUSBポート数が必要であったり、どうしてもM.2 SSDでRAIDが組みたいなどの事情があったりしない限り、こちらで十分な方が大半です。

B760・B660の特徴
  • B760・B660はコストパフォーマンスモデル。
  • CPUのオーバークロックはできない。
  • メモリのオーバークロックはできる。
  • PCIeスロット・レーン数・USBポート数・転送速度が少ない・小さい。
  • M.2ではRAIDが組めないが、SATAでRAIDが組める。

H610

最廉価マザーボードです。小売店のオリジナルモデルも、さすがにこのチップセットを選ぶことは少ないです。たしかに、機能を削りすぎている感があります。

H610の特徴
  • H610はエントリーモデル。
  • CPUのオーバークロックができない。
  • メモリのオーバークロックができない(かろうじてXMPを使えるモデルも)。
  • メモリスロットは2つ。最大64GB。
  • グラフィックボードを刺すPCIe4.0はあるが、その他のスロットにPCIe4.0がない。M.2 SSDのGen4を刺しても速度がGen3並み。
  • USBポート数が少なく、転送速度の最大値が劣る。SATAも少ない。
  • M.2はもちろん、SATAでもRAIDが組めない。

AMD(Ryzen7000・5000シリーズ)

新品での購入候補に挙がってくるAMDは、最新のRyzen7000シリーズとRyzen5000シリーズに分かれます。

前提として、Ryzen7000シリーズは、DDR5メモリしか利用できず、Ryzen5000シリーズはDDR4メモリしか利用できません。

AMD Ryzen7000シリーズ対応(オススメ!)

Ryzen7000が使えるマザーボードは、ソケットAM5対応と書かれています。前述のように、DDR5メモリのみの対応です。

PCに詳しい自作PCユーザーが買うのならば、Intelではなく7950X3Dか7800X3Dの二択!といわれるほど圧倒的な性能とワットパフォーマンスを誇るCPUを載せられるマザーボードです。

また、できるだけ長くプラットフォームを使用すると明言されており、次世代Ryzenに対応するだろうと言われています。

大前提の知識 E付きモデルとEなしモデル

Ryzen7000シリーズのマザーボードには、X670EとX670、B650EとB650など、Eが付いているモデルとEが付いていないモデルが存在します。

その違いは、Eが付いているモデルは、GPUとの接続方式がPCIe 5.0に対応しており、Eがないモデルは、PCIe4.0に対応している点です。PCIe5.0とか4.0とかよくわからん!という方もいらっしゃるかもしれません。PCIe5.0は最新の機器(GPUなど)との接続方式で、PCIe4.0より速い転送速度が出るものと思ってください(PCIeの世代が一つ進むたびに、転送速度が倍になると言われています)。

ただし、現在発売されている最高級GPUのRTX4090であっても、その接続はPCIe4.0で行われており、PCIe4.0の接続速度を最大まで活かしきれていないので、たとえ新世代のRTX5000シリーズが発売されたとしても、PCIe4.0までの対応で十分GPUの性能は発揮されるだろうと言われています。

ほかにも、M.2 SSDの接続方式がPCIe5.0か、PCIe4.0か、という違いがあるといわれていますが、B650のEなしモデルにも、PCIe5.0に対応しているマザーボードは存在します。

X670

最上級のモデルですが、実態は、B650のチップを2つ載せているマザーボードです。その分、装備が豪華になっています。

もちろん、電源フェーズも優れていますが、CPUのスコアが変わるほどの違いはありません。7000シリーズの消費電力が少ないことが一因であると思います。

X670の特徴
  • X670はハイエンドモデル。
  • CPU・メモリのオーバークロックができる。
  • PCIeスロット数・レーン数が豊富。
  • USBポート(20Gbpsと10Gbps)数とSATAポート数がB650の倍。
  • GPUと比べれば微々たるもの(7W)だが、チップ2個分なので消費電力量が増える。

B650

B650は、標準モデルの位置づけです。

周辺機器を大量につなぐことがない方には最適なモデルです。かといってインターフェースが貧弱なわけではないので、配信用機材程度ならば余裕でつなぐことができます(それが価格が高い理由でもあるのですが…)。

ゲーミングPCの素体として最適なモデルです。

B650の特徴
  • B650はスタンダードモデル。
  • CPU・メモリのオーバークロックができる。
  • X670には劣るが、必要十分なPCIeレーン数・スロット数がある。
  • 消費電力がX670よりも少ない。

A620

A620は、最廉価モデルで、2023年4月に発売されました。

CPUは素晴らしい出来なのに、マザーボードとDDR5が高価で売り上げが伸びなかったため、テコ入れとして投入されたモデルという印象です。

その後、DDR5メモリとB650の価格が下がりましたので、存在感が薄いというのが正直なところです。

A620の特徴
  • A620は、エントリーモデル。
  • CPUのオーバークロックはできない。
  • メモリのオーバークロックができる。
  • PCIe4.0を利用できるのは、GPUとM.2 SSD1枚まで。その他はすべてPCIe3.0。
  • 20GbpsUSBポートがなく、B650よりもポート数も少ない。
  • CPUのオーバークロックはできず、公式には7600無印、7700無印向けのマザーボードだが、モデルによっては7950X3Dを載せても問題ない。

AMD Ryzen5000シリーズ対応

AMDRyzen5000が使えるマザーボードは、ソケットAM4対応と書かれています。前述のようにDDR4メモリのみの対応です。

5700Xや5800X3Dなど、PCに詳しい自作PCユーザーが、コスパを求めるならこれ!と薦めるCPUたちが載ります。

メジャーなチップセットは、B550、X570、A520です。

これより過去のモデルも、5000シリーズが使える可能性がありますが、機能面や、BIOS更新の必要性など、複雑な事情が絡みますので、比較的新しいモデルに説明を絞ります。

B550

チップセットの格や機能的には、X570の方が上ではあるのですが、Ryzen5000シリーズを載せることを念頭に発売されたチップセットはこちらになります。

B550の特徴
  • B550はスタンダードモデル。
  • 対応CPUは、Ryzen3000シリーズ以降。
  • PCIe4.0対応のM.2 SSD(Gen4)は一枚だけ利用できる(CPU直下のM.2スロット)。
  • PCIe3.0対応のM.2 SSD(Gen3)を利用できる数は、マザーボードによって異なる。
  • CPU・メモリのオーバークロックができる。
  • 安い。必要最低限の機能は備わっている。

X570

Ryzen5000シリーズでは最も性能の高いチップセットです。しかし、価格が高く、B550よりも前に発売されていたことから、流通量が少なめです。

X570の特徴
  • X570はハイエンドモデル。
  • PCIe4.0ソケット・レーン数が豊富。Gen4 M.2 SSDの能力を発揮させつつ複数利用できる。
  • CPU・メモリのオーバークロックができる。
  • 流通量が少なく、新品購入できる商品も少ない。
  • 発売当初は高性能だったが、Intelの600番台と比較すると普通。
  • シンプルに高い。

A520

需要があるのか、2023年になっても新製品が発売されている最廉価モデルです。とにかく安いですが機能面で見るとかなり厳しいところもあります。特に、ゲーミング用となると外部機器の接続数やSSDの読み込み速度などが物足りないと感じるでしょう。

A520の特徴
  • A520はエントリーモデル。
  • PCIe4.0には非対応。M.2 SSD(Gen4)はもちろん、グラフィックボードのスロットの速度に影響。
  • USBポート数が少なく、SATAも4つまで。
  • 安いが、必要以上に機能を削減されている。

マザーボードの価格が違う理由

なぜチップセットの型番が同じなのに、20万円以上するマザーボードと、2万円程度のマザーボードがあるのでしょうか。それには以下の表のような違いがあります。

同じ型番のチップセットの価格による違い
  • フェーズと呼ばれるCPUに電源を供給する部品や、ボードの積層数が豪華。
  • 巨大なヒートシンクがついており、マザーボードが熱をもちにくい。
  • オーバークロックしたとき、CPU・メモリの能力を最大まで引き出せる。
  • BIOSに便利な機能が追加されていたり、BIOSのサポートが手厚い。
  • 廉価な小売店オリジナルモデルでは、BIOS更新頻度が少ないモデルもあり、トラブルシューティングに苦労することがある。
  • nvme(M.2)の装着可能数が多く、ヒートシンクもついている。
  • バックパネルの装備(USBポート・音声出力・S/PDIF(音声デジタル出力)・thunderboltなど)が豪華。
  • 高級なサウンドカード(チップ)が乗っている。
  • LANの対応速度(10Gbpsか、2.5Gbpsまでか)。
  • WIFIの有無と対応速度(WIFI6E)、Bluetoothの有無。
  • 変わったデザインのLEDがついており、いかにもゲーミングな感じがする。
  • 素材や質感や見た目が高級。

上記のような理由が挙げられます。

あまりに豊富なインターフェース・DACを繋げば使わないサウンドチップ・巨大なグラボで見えなくなる装飾・あまり利用しないオーバークロックなど、諸々にお金をかけられるオイルキングでない限り優先度は高くありません。

どんなに高級なものでも、時代とともにPCの性能が上がり続ける以上、いつかは型落ちになります。

高いマザーボードは安定性が違うなどとも言われますが、液体窒素を使ってオーバークロックする人以外違いが判る人はあまりいないでしょう。

ゲーミング目的で考慮すべきは、使う機材分のインターフェースの確保・LANとWIFIの速度・見た目ぐらいでしょうか。つまり、B760・B660・B650のミドルクラスのマザーボードで十分です。

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