イントロダクション
ひとえにStable Diffusionといっても、現在は様々な利用手段があります。
これから導入してみようという人の中にはどれを使っていいやら途方に暮れている人もいるかもしれません。
今メジャーなのはStable Diffusion WebUI(以下、WebUI)というツールですが、これからStable Diffusionに挑戦してみようという方にちょうどいいツールが最近話題になっていますので、導入方法をご紹介いたします。
なお、導入説明はWindows版を対象としています。
Stable Diffusion WebUIの前提知識
WebUIは、直感的にAIイラスト生成を行えるようにUI(ユーザーインターフェース)をWebブラウザ上で操作できる形にしたものです。
Webと付いていますが、ローカル環境で動作させるものなので、一定以上のPCスペックが要求されます。
WebUIには、automatic1111氏が開発したオリジナルバージョンがあり、現在のところ最も人気があります。
しかし、最近になって、WebUIをもとに大幅な高速化と軽量化を加えたStable Diffusion WebUI Forge(以下、WebUI Forge)というツールが旋風を巻き起こしています。
Stable Diffusion利用者で知らない人はいないであろうControlNetという拡張機能で有名なlllyasviel氏が開発したものであり、信頼性も高いです。
WebUI Forge のインストール
WebUI Forgeをインストールするためには、下準備としてPython3.10.6とGitのインストールが必要です。以下で順番に説明していきます。
Python3.10.6のインストール
最新のPython3.12をインストールしている方でも、Python3.10.6のインストールが必要です。
まず、Python公式の3.10.6のPythonダウンロードページを開きます。
ダウンロードページの下部にファイルが並んでいますので、Windowsの方は一番下のRecomendedと書いてあるファイルをインストールします。
ダウンロードしたファイル(python-3.10.6-amd64.exe)をダブルクリックしてインストールしていきます。下部のチェックボックスのPATHは入れなくていいです。
その代わり、Python3.10.6をどこにインストールしたか覚えておきましょう。
メモしなかったうっかりさんは下記コマンドをコマンドプロンプトで打ち込んでPATHをメモ帳などにコピーしてください。後で使用します。
py -0p
-V:3.10 C:\Users\XXXXX\AppData\Local\Programs\Python\Python310\python.exe
C:から始まる部分が必要になります。XXXXXの部分は人によって異なります。
Gitのインストール
Gitとは、バージョン管理システムのことです。
この説明だと、なぜインストールするのかよくわからないかもしれませんので補足します。
Gitをインストールすれば、他人が作った、Github上で公開されているプログラムをコマンドで簡単に取得できるためです。
WebUI Forge は Github上でソースコードが公開されていますので、Gitを使うことで簡単にインストールが出来るようになります。
まず、下記ページにアクセスします。
赤枠で囲んだ部分をクリックします。
赤枠で囲んだ部分からインストールします。
ダウンロードしたファイルを開いてインストールします。
選択肢がたくさん出てきますが、すべて「Next」を選択してインストールしてかまいません。保存場所を変えたい方などは変更してください。
以上でGitのインストールは終わりです。
WebUI Forge のインストール
最初にWebUI Forgeをインストールするドライブやフォルダを決めましょう。
Cドライブに入れても構いませんが、結構なサイズのファイルをインストールしたり、生成したデータが積みあがっていくことを考えて場所を決めましょう。
私の場合は、Cドライブとは別に空の1TB SSDを用意し、そこに「SD」というフォルダを用意しています。
では、始めましょう。
保存場所を決めたら、そこにWebUI Forgeをインストールするフォルダを作成します。
例えば、「SDF」の名前でフォルダを作成します。
フォルダを開き、何もない部分を右クリックします。
「Open Git Bash here」をクリックします。
ターミナルウインドウが立ち上がりますので、そこに以下のコマンドを打ち込みます。
git clone https://github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge.git
ファイルのダウンロードが始まります。
成功すると、「stable-diffusion-webui-forge」というフォルダが出来ているはずです。
フォルダを開きます。
下部に「webui-user.bat」というファイルがありますので、右クリックして編集を選択します。
すると、下の画像のようにメモ帳が開きます。
赤枠で囲んだ「set PYTHON」の部分に、PythonのインストールでメモしたPython3.10.6のPATHを記載していきます。「=」のあとに、スペースなどは入れずに記載してください。
記入例を下に置いておきます。
何もしなければ、XXXXXの部分に自分のユーザー名が入ることになります。
set PYTHON=C:\Users\XXXXX\AppData\Local\Programs\Python\Python310\python.exe
上記のように編集したら、保存してください。
ここまでが終わったら、「webui-user.bat」をダブルクリックしてください。
エラー無くインストールが完了すれば、導入成功です。
トラブルシューティング
「webui-user.bat」をダブルクリックすると、エラーが発生することがあります。
以下で各メッセージごとの対処方法を記載します。
Could not find a version that satisfies the requirement torch
Pythonのバージョンが合わない場合にこのエラーが出ます。
この場合は、「stable-diffusion-webui-forge」フォルダ内の「venv」フォルダを右クリックからフォルダごと削除してください。
venvとは、「Virtual Environment」すなわち仮想環境のことです。
一度インストールエラーが出ると、「stable-diffusion-webui-forge」の「venv」内にエラーを出したPythonバージョンで仮想環境が作成されます。
PC側の設定を変えようが仮想環境を再構成しない限りバージョンが合うことはありません。
対策として手っ取り早いのは「stable-diffusion-webui-forge」フォルダ内の「venv」フォルダの削除です。
上記の手順のように「webui-user.bat」を編集して再度ダブルクリックすることでもう一度仮想環境が作成されます。
No python at ”〇〇”
Pythonをインストールしてください。
Pythonを入れたのにこのエラーが出るのならば、「webui-user.bat」に記載したPATHを再確認し、必要ならば修正してください。
py -0p
Couldn’t launch python
別ドライブにWEBUI FORGEをインストールし、「webui-user.bat」をダブルクリックすると出現するとかなんとか。
下記を打ち込んで「webui-user.bat」に記載したPATHを再確認し、必要ならば修正してください。
py -0p
Torch is not able to use GPU
GPUが無い、またはGPUが古いと表示されます。
「webui-user.bat」を右クリックで“編集”を開き、「set COMMANDLINE_ARGS」に、「-skip-torch-cuda-test」と入力してください。
Error running command
「webui-user.bat」を右クリックして、“編集”を開き、「set COMMANDLINE_ARGS」に、「-lowvram-precision full -no-half -skip-torch-cuda-test」と入力し、保存してください。
まとめ
以上が、インストール手順になります。インストールが終了すると、自動的にブラウザが開きます。
今回はここまでです。
いい感じの生成をするための下準備は別記事に書きたいと思います。
お疲れさまでした。
次回は、ユーザーインターフェースの日本語化です。
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