イントロダクション
世間は今、OpenAIから発表されたばかりの動画生成AIモデル「Sora」で盛り上がっていますが、まだ一般に公開され、利用できるモデルはありません。
使えないのは仕方ないので、Forgeの画像生成の習熟度を高めて、いざ「Sora」が使えるようになったときに使えるベース素材を作る技術を磨いていきましょう。
今回は、Forgeのアップデート方法を簡単に紹介した後、オススメのembeddingsを紹介する記事です。
過去の記事については、記事最下段の関連記事か、AIイラスト生成のカテゴリーからお願いします。
Forgeのアップデート
Forgeのファイルは、結構な頻度でアップデートされています。
以前ダウンロードして使用中の方も、何日かに一度は立ち上げる前にアップデートすることをオススメします。
➀「stable-diffusion-webui-forge」フォルダがある場所を開きます。
②「stable-diffusion-webui-forge」フォルダを右クリック
③PowerShell7が出ている人は、「Openhere」、ターミナルが出ている人はターミナルで開く。どちらの選択肢もない人は、⑤へ進んでください。
④下記コマンドを打ち込むだけです。
git pull
④③の手順がどちらもない人は、パスのコピーを選択。
⑤スタートボタンを右クリックしてターミナルを起動。
⑥下記コマンドを打ち込みます。
cd "4の手順でコピーしたパスを貼り付け"
git pull
以上でForgeのアップデートが完了します。
embeddingsの活用
Forgeのアップデート方法だけでは、記事の量が少なすぎますので、お茶を濁す形ですが、embeddingsを活用したネガティブプロンプトの有効化手法をご紹介します。
紹介するのは、EazyNegativeとnegative_handです。
EazyNegative
EazyNegativeとは?
Forgeでイラストを生成する際には、以下の入力欄にプロンプトとネガティブプロンプトを入力しますが、毎回ネガティブプロンプトを入力するのは手間がかかります。
EazyNegativeを導入し、「EazyNegative」と入力すれば、自動的にネガティブプロンプトを補完してくれると考えるといいと思います。
とにかく使えればいい方には不要ですが、正確な説明を知りたい方は以下のページを読み込んでください。
導入後は、ネガティブプロンプトに「EazyNegative」と入力するだけで常に適用されるお手軽ツールです。
本来は、Counterfeitというモデル用に作られたものなのですが、他のモデルで使用してもある程度の効果があるということで使用者が増え、広がった経緯があります。
EazyNegativeのインストール
インストールは、Hugging faceから行います。
ダウンロードしたファイルを、「”…\stable-diffusion-webui-forge\embeddings”」の中に放り込んでください。
「EasyNegative.safetensors」と「EasyNegativeV2.safetensors」のどちらを入れても構いません。
サイズも大きくありませんので両方入れていいと思います。
以上で導入は終了です。
EazyNegativeの使い方
「Textual Inversion」から、「EazyNegative」または「EazyNegativeV2」をクリックするだけです。
クリックすると自動的にネガティブプロンプトに「EazyNegative」「EazyNegativeV2」と入力されます。また、今まで使用していたネガティブプロンプトも併用できます。
使用した結果とそうでない結果を並べてみます。
プロンプトは「1girl」、モデルは「counterfeitV3」です。
EazyNegativeなし
EazyNegativeあり
EazyNegativeV2
EazyNegativeとV2併用
EazyNegativeを利用していない場合だと、目や体がおかしくなる確率が上がります。
大した手間がかかるわけではないので、常に使うようにするといいと思います。
negative_hand
上記Eazynegativeの作例から見てもわかるように、AI画像生成において苦労するのは、人物の手指の出力結果です。
正常な手が出力される確率が低く、最終的に自分で修正することになったという方が多いでしょう。
そんな方々にオススメするembedddingが、negative_handです。
このembeddingは、イラストの手にのみ作用し、絵柄を維持しつ完全な手指を出力する確率を上げてくれます。
negative_handのインストール
ファイルのダウンロードはCivitaiから行います。
ダウンロードしたファイルを、「”…\stable-diffusion-webui-forge\embeddings”」の中に放り込んでください。
negative_handを使用する際は、「negative_hand」と表記する必要があることに注意してください。
negative_handの使い方
使い方はEazyNegativeと同じです。
Textual Inversionからクリックし、ネガティブプロンプト内に「negative_hand-neg」と入力されたらOKです。
適用状態を比較してみます。
プロンプトは「1girl,swing a Katana」、モデルは「counterfeitV3」で、「Eazynegative」を適用しています。
negative_hand-negなし
negative_hand-negあり
negative_handを使っても、必ずしも完全な手が出現するわけではありませんし、刀の表現が無茶苦茶ですが、指は1本足りないか多いぐらいなものです。
negative_handを使っていない状態では、修正が難しくなるような手の出力がされてしまう確率がかなり上がります。
まとめ
EazyNegativeやnegative_handのほかにも、効果的なembeddingsは沢山あります。
各々で探して利用しましょう。